「図書コンシェルジュ」は、毎月、図書館職員等がおすすめの本を紹介するコーナーです。
《一般書文学》、《一般書》、《児童書》、《絵本》から1冊ずつ紹介しますので、ぜひ皆さんも読んでみてください!
令和7年4月号から令和8年3月号まで1年間、各務原西高校の学生が推し本を紹介します!(みんなの図書館プロジェクト)
貸出中の時は、予約ができます。
■一般文学
・書名:「終末のフール」
・著:伊坂幸太郎
・出版者:集英社
・本文:
8年後に小惑星が衝突し地球は滅亡する、そう予告されてから5年が過ぎた頃。仙台市の団地「ヒルズタウン」の住人たちは、残された時間の中で人生を見つめ直す。ある者は親子の関係を、ある者は人生の終え方を、ある者はこれからの過ごし方を・・・。再生、希望、恩讐、これは今日を生きることの意味を知る物語。
登場人物の心情が美しい景色の描写と絡めて繊細に表現され、思わず見入ってしまう、前を向いて歩みを進める彼らを応援してしまう、そんな物語です。 全8編から成る短編集なので、サクッと読めます。
慌ただしい現代で、今日を生きる、という意味を探してみてはいかがでしょうか?
(対象 一般)
■一般書
・書名:「心配事の9割は起こらない」
・著:枡野俊明
・出版者:三笠書房
・本文:
あなたには悩みはありますか。人により悩みの種類や大小は違いますが、誰しもが悩みを抱えていると思います。この本では、禅の教えの視点から、私たちの悩みを解きほぐしてくれます。
例えば、自分と誰かを比較して、人を羨んだり、自分を嘆いたりしてしまうことはありませんか。これに対してこの本では、「漠妄想」という禅語を紹介しています。意味は、「妄想することなかれ」ということです。禅の世界では、人は唯一無二の存在とされます。そんな存在を比べようとしても、余計なことを考えてしまい不安や悩みが増えるだけです。比較することをやめれば、妄想の9割がなくなり、心は軽くなるはずです。あなたの悩みにぴったりな禅語を見つけてみませんか。
(対象 一般)
■児童書
・書名:「「孫たちは帰らない」けれど~失われた「ふるさと」を求めて~」
・写真・文:豊田 直巳
・出版者: 農山漁村文化協会
飯館村から放射能を逃れ仮説住宅に避難したおばあちゃんたち。
村の暮らしは、山のキノコもおいしく、自分たちで育んだ土からお米も野菜も味噌も手作りでした。原発事故の後は、なんでもお金で買わないと手に入らない生活に。それでもおばあちゃんは、ささやかなしあわせを紡ぎ、感謝のこころを忘れない。
仮説住宅でも時は流れ、おばあちゃんたちは出ていかなくてはならない。けれどふるさとの飯館村は、大きな黒い放射能の汚染土の黒い袋が積み上げられている。山のキノコを見つけても放射能を集めるからと食べられない。育てた自慢の土ははがされ、お米も野菜も作れない。そして孫たちは飯館村には帰らない。
仮説住宅からどこに行けばいいのか、せつないおばあちゃんたちのお話。
(対象 小学中学年から)
■絵本
・書名:「ねことことり」
・作:たてのひろし
・絵:なかの真実
・出版者:世界文化社
この絵本は、野山の草花や、植物を細密で色彩鮮やかに描かれた美しい絵とともに、ねことことりが心を通い合わせる心温まる物語です。このお話はある日、ねこがたくさんの小枝を、束ねようとしていると、ことりがやってくるところから始まります。そしてことりはこぶしの枝を、7枝、分けてもらえないかとねこに懇願します。ねこは全部を渡してしまうと仕事にならないので、毎日1枝だけ渡すことにします。そしてこの後のねことことりのやり取りがこの本の見どころです。是非あなたの心で感じ取ってみてください。子どもから大人までやさしい気持ちになれる1冊です。
(対象 幼児から)