「図書コンシェルジュ」は、毎月、図書館職員がおすすめの本を紹介するコーナーです。
《一般書文学》、《一般書》、《児童書》、《絵本》から1冊ずつ紹介しますので、ぜひ皆さんも読んでみてください!貸出中の時は、予約ができます。《一般書文学》
『のぼせもんやけん 2 ~植木等の付き人時代のこと。~』 小松 政夫/著 竹書房 令和2年12月7日に鬼籍に入られたコメディアン・俳優の小松政夫さんが、植木等さんの付き人兼運転手を経て、やがて一本立ちしていくさまが面白おかしく書かれた作品です。
超過密スケジュールの植木等さんやクレイジーキャッツと行動を共にし、徐々にチョイ役、コントのつなぎをこなし始め、考え抜いたネタが散々スベった末に大ウケを取ったりしたこと、役者志望の友達との熱い友情、ほろ苦い失恋、植木等さんとの師弟愛等々が、東京オリンピック開催の華やかなりし時代背景の中、描かれています。あの「サイナラ、サイナラ、サイナラ~~」がいかに生まれたか…!!
前作「のぼせもんやけん 1 ~昭和30年代横浜~セールスマン時代のこと。~」も読み進められると、「こりゃまた」感慨もひとしおです。小松の親分さんは小松の大先生でもあったのだ!!
(対象 一般)
《一般書》

『岐阜の昭和30年代を歩く』 井口 貢、安元 彦心/編著 風媒社
日本の高度経済成長が始まったとされる昭和30年代。いきいきと輝く岐阜を、5つの地域ごとに見つめ直した昭和レトロ満載の一冊です。本を開けば、住んでいるのに知らなかった岐阜に出会えます。
図書館で開催している文学講座で、長年講師を務めていただいている林正子岐阜大学名誉教授も執筆されています。お題は、昨年の文学講座でとりあげた舟橋聖一の『白い魔魚』。新聞の連載小説で映画化もされたこの作品の中で、風情ある岐阜の街がどのように描かれたか、そして岐阜が舞台のひとつとなった背景などを解説されています。
昭和に生きた方も、その後生まれた方も、豊富な写真や地図を見ながら30年代の岐阜を歩いてみましょう。 (対象 一般)
《児童書》

『牛乳パックでこんなにできる!わくわく☆クッキング』
寺西 恵里子/作 汐文社
飲み終えてきれいに洗った牛乳パックに、いろいろな材料を入れて、振ったり混ぜたりした後は、
冷やしたり、焼いたり…。何ができるかわくわくしますね!
牛乳パックを使って、ポテトサラダや押し寿司、お好み焼き、ケーキやプリン、ようかんなどのデザートの作り方が紹介された本です。調理道具も少ないので、洗うものも少なくて済み、環境にもやさし
く、らくちんで料理が作れます。
6月は梅雨の時期で雨の日が多いですが、この本のアイデア料理を作って、気分を明るくしてみませんか?
(対象 小学中学年から)
《絵本》
『トンちゃんってそういうネコ』
MAYA MAXX/作 汐文社
トンちゃんはシマシマのゲンキなオトコノコのネコで、だけどトンちゃんは足がひとつない。だからできないこともいろいろあるけれど、そんなこと気にしない。できることがいっぱいあってやっぱり元気に生きてます。
はじめは大迫力の絵に圧倒され、読み進めるとトンちゃんのしなやかな強さに元気をもらえます。あとがきも素敵で、作者のあたたかな目線を感じます。1999年に角川書店から刊行された本を子どもたちが読みやすいように再編集したもので、読み聞かせなら小さな子から楽しめて、くっきりした絵が最適です。
(対象 小学低学年から)
★令和5年4月号.pdf★令和5年5月号.pdf